父親世代の服が、いま新鮮に見える理由
米国の男性誌GQでは、編集部員たちが父や祖父の思い出の装いを紹介する企画が話題になっている。内容は、完璧に仕立てたスーツ、山歩きのような日常着、首元のスカーフ、軍服由来の実用服などさまざま。共通しているのは、流行を追いすぎず、その人の生活に根づいた服であることだ。
日本でも、いわゆるおじさん服が見直されている。古い写真に写る父親世代の服は、サイズ感や素材選びに無理がなく、今の大人の男性が取り入れやすいヒントが多い。
海外で注目されるポイント
海外のメンズファッションでは、派手なブランドロゴよりも、その人らしい定番をどう着るかが重視される傾向がある。父親世代の着こなしは、まさにその好例だ。
- 体に合ったスーツをきちんと着る
- ハイキング服のような実用着を日常に使う
- ネッカチーフや帽子など小物で個性を出す
- 同じ系統の服を繰り返し着て自分の制服にする
高価な服を増やすより、よく着るものを丁寧に選び、手入れして長く使う。ここに大人の説得力が出る。
日本男性が真似しやすい要素
スーツは細さより整い方
父親世代のスーツで参考になるのは、過度にタイトではなく、肩と袖丈、パンツ丈が合っていること。日本のビジネスシーンでは、黒に近い濃紺やチャコールを選ぶと使いやすい。ネクタイを締める日が減っても、ジャケットのサイズが合っているだけで印象はかなり変わる。
休日服はアウトドア感を少しだけ
キャップ、丈夫な靴、コットンTシャツ、カーゴショーツやチノパン。こうしたアイテムは日本の街でもなじむ。ただし全身を登山仕様にすると重く見えるため、街では色数を抑え、清潔な靴を合わせるのがコツだ。
小物は一つだけ決める
祖父のネッカチーフ、父の帽子、いつもの革靴。印象に残る人は、何か一つ自分の記号を持っている。日本ではスカーフが照れくさいなら、無地キャップ、腕時計、細めのベルトでも十分だ。
実生活での活かし方
まずはクローゼットから、よく着ている服を三つ選ぶ。紺のジャケット、白T、チノパン、革靴など、出番の多い服を軸にすると失敗しにくい。次に、古びて見えるものと味に見えるものを分ける。襟が伸びたTシャツは部屋着へ、よくなじんだデニムや革靴は主役にできる。
- ジャケットは肩幅と袖丈を確認する
- 休日服はベージュ、ネイビー、オリーブでまとめる
- 帽子やスカーフは清潔感を最優先にする
- 気に入った定番は色違いでそろえる
注意点は懐古趣味になりすぎないこと
父親世代の服をそのまま再現すると、場合によっては古臭く見える。太すぎるパンツ、くたびれた革小物、派手すぎる柄物は、今のサイズ感や清潔感に合わせて調整したい。また、家族の思い出を借りるような服ほど、自分の生活に合うかを考えることが大切だ。
まとめ
父親世代の名コーデが教えてくれるのは、流行よりも自分の基準を持つこと。スーツを直す、休日服を整える、小物を一つ決める。それだけで、いつもの服は大人っぽく見える。背伸びしたおしゃれより、生活に合った服を丁寧に着ることが、いま最も実用的な男のスタイルなのかもしれない。