10年ぶりの再タッグが示した「着る冷却」
リック・オウエンスとアディダスのコラボレーションが、パリのランウェイで再び姿を見せた。前回の協業終了から約10年。単なる復刻ではなく、今回注目されたのは、服そのものを膨らませ、風を通し、体を冷やすような実験的なウエアだ。黒を基調にした前衛的な見た目でありながら、テーマは意外なほど実用的。猛暑の中でもどう格好よく、快適に過ごすかという、いまの男性に直結する話でもある。
海外で注目される理由
リック・オウエンスは、ダークで彫刻的なシルエットを得意とするデザイナーとして知られる。一方のアディダスはスポーツ由来の機能性を持つブランド。この組み合わせは、ロゴを載せただけのコラボではなく、靴や服の形から作り直す点で評価されてきた。
今回のショーでは、アディダスの冷却技術を活用した膨らみのあるジャケットやショーツが登場。内蔵ファンで空気を送り、着用者を冷やす発想は、海外メディアでも大きな話題になっている。さらにサッカー選手向けに開発された冷却ベストのような考え方も取り入れられ、ファッションと暑さ対策の境界がかなり近づいた印象だ。
日本男性に刺さるポイント
日本人にとって、この発想は決して遠いものではない。建設現場や屋外作業で見かけるファン付き作業着、いわゆる空調服は、真夏の日本ではすでに現実的なアイテムだ。今回のコレクションは、その機能をラグジュアリーやストリートの文脈に持ち込んだものと見ることもできる。
- 汗ジミや蒸れを減らし、清潔感を保ちやすい
- 黒白中心の配色で、大人の服にも合わせやすい
- スニーカーまで含めて、機能性と存在感を両立できる
- 猛暑の外出やフェス、旅行時の服選びのヒントになる
実生活での活かし方
もちろん、ランウェイの服をそのまま日常に取り入れる必要はない。大切なのは、暑さを我慢するのではなく、機能をおしゃれに組み込むという考え方だ。たとえば、通気性の高いナイロンジャケット、軽量ショーツ、速乾インナー、厚底すぎないクッション性のあるスニーカーを選ぶだけでも、夏の印象は変わる。
黒コーデは素材で差をつける
リック・オウエンスらしい黒の着こなしは、男らしく見える一方で、夏は重く見えやすい。日本の街で取り入れるなら、リネン混、メッシュ、薄手ナイロンなど、光沢や透け感のある素材を選ぶと暑苦しさが出にくい。汗をかきやすい人は、トップスの下に吸汗速乾インナーを挟むと、見た目の清潔感を保ちやすい。
スニーカーは「変わり種」を一点投入
ショーでは、厚みを強調したランニング系ソールや、足首からふくらはぎ付近まで覆うようなデザインも見られた。市販時期や過去モデルの復刻は未確定だが、今後のスニーカートレンドとして、軽さ、反発性、防水性、そして見た目のインパクトがさらに重視されそうだ。普段の服がシンプルな男性ほど、靴で少し攻めると全体が新鮮に見える。
注意点とまとめ
前衛的なアイテムは、サイズ感を間違えるとコスプレっぽく見えたり、職場やデートで浮いたりすることがある。まずは黒白の配色、機能素材、ボリュームスニーカーなど、取り入れやすい要素から試すのが現実的だ。
今回の再タッグが面白いのは、ファッションの話でありながら、汗、暑さ、清潔感という日本男性の悩みにもつながっている点だ。おしゃれは我慢という時代から、快適さをデザインする時代へ。リック・オウエンスとアディダスの復活は、夏の男服を考え直す良いきっかけになりそうだ。
参考:After 10 Long Years, Adidas and Rick Owens Have Finally Reunited